よく眠れない
「布団に入ってもなかなか眠れない」
「夜中に何度も目が覚める」
「朝早く目が覚め、その後眠れない」
「ぐっすり眠った気がしない」
「夢が多く、眠りが浅い」
「日中も眠気や疲れが取れない」
そんな状態が続くと、心も身体も休まらず、毎日がつらく感じてしまいます。
睡眠は、心と身体を回復させるための大切な時間。
中医学では、「なぜ眠れないのか」という原因を根本から考え、一人ひとりに合った改善を目指します。
中医学では「不眠」をこう考えます

中医学では、不眠は五臓の中の「心(しん)」の働きが乱れ、精神が落ち着かない状態と考えます。
ぐっすり眠るためには、「心」を養う「血(けつ)」や身体を潤す「陰(いん)」が十分にあることが大切です。
ところが、考えすぎやストレス、疲れの蓄積、加齢などによって「血」や「陰」が不足すると、心が十分に休まらず、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたり、眠りが浅くなったりします。
また、イライラなどで気が高ぶっていたり、食べ過ぎや胃もたれで胃腸に負担がかかっていたりしても、眠りは妨げられます。
このように、「眠れない」と一言でいっても、その原因は人それぞれです。
・なかなか寝つけない(入眠困難)
・眠りが浅く、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)
・朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)
・睡眠時間は足りているのに、ぐっすり眠った感じがしない(熟眠障害)
など、現れ方もさまざまです。
そのため中医学では、「眠れない」という症状だけを見るのではなく、その背景にある体質を見極め、一人ひとりに合わせた養生や漢方薬で整えていくことを大切にしています。
このお悩みを持つ方に多いタイプ
☆心の血が不足するタイプ
血が不足すると心を十分に養えず、眠りが浅くなります。
こんな方に多くみられます。
- 夢をよく見る
- 眠りが浅い
- 動悸がする
- 疲れやすい
- 心配性
☆潤い不足タイプ
年齢を重ねるにつれて不足しやすい「陰」が減ると、身体に熱がこもりやすくなり、夜になると目が冴えてしまいます。
こんな方に多くみられます。
- 手足がほてる
- 口が乾く
- 寝汗をかく
- 更年期世代
☆胃腸の不調タイプ
暴飲暴食や脂っこい食事、夜遅い食事などで胃腸に負担がかかると、身体が休まらず眠りを妨げることがあります。
こんな方に多くみられます。
- 熟睡感がない
- 食べ過ぎることが多い
- 夕食の時間が遅い
- いびきをかきやすい
今日からできる養生法
①朝日を浴びる
朝起きたらカーテンを開け、太陽の光を浴びましょう。
体内時計が整いやすくなり、夜の自然な眠気につながります。
②昼間に適度に身体を動かす
ウォーキングやストレッチなど、無理のない運動は気血の巡りを良くし、眠りの質を高めます。
③夜は「心を休ませる時間」をつくる
寝る直前までスマートフォンやパソコンを見ると、脳が興奮しやすくなります。
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、好きな香りを楽しんだり、静かな音楽を聴いたりして、心がほっと緩む時間をつくりましょう。
④身体の潤いを守る
夜更かしや睡眠不足、長時間のサウナや熱すぎるお風呂は、身体の潤い(陰液)を消耗しやすくなります。
とくに更年期以降は、潤いが不足しがちです。
陰液不足は不眠につながる要因になりますので、陰液を消耗させない生活こ心がけましょう。
⑤耳や足を温める
耳や足をじんわり温めると、心身の緊張がほぐれ、リラックスモードへ切り替わりやすくなります。
足を温めると気血の巡りが良くなり、頭にのぼった熱を下へ導いて心を落ち着かせます。
耳を温めると、耳に集まる多くのツボが刺激され、気血の巡りが整い、安らかな眠りにつながります
よく眠れない方にオススメのツボ

神門(しんもん)
手首の小指側にあるツボです。
気持ちを落ち着かせ、リラックスしたい時によく使われます。

内関(ないかん)
手首の内側、しわから指3本分ひじ寄りにあります。
ストレスや緊張、不安感が強い時にもおすすめです。

失眠(しつみん)
かかとの中央付近にある、不眠の代表的なツボです。
寝る前にやさしく押したり、お灸をするのもおすすめです。
コラム 仙方を探すより睡方を探せ
中国には、「仙方を探すより、睡方を探せ」という諺があります。
「仙方」とは、不老長寿をもたらす妙薬のこと。「睡方」とは、よく眠るための方法です。
つまり、「不老長寿の薬を探し求めるよりも、質のよい眠りのほうが大事!」という教えなんです。
昔の人々は、それほどまでに睡眠の力を高く評価していたのですね。
睡眠中には成長ホルモンなどが分泌され、日中に受けた心身のダメージを修復して、免疫力や自然治癒力を高めてくれます。
たしかに、ぐっすり眠れた翌朝は、心も身体も軽く感じますよね。
忙しい毎日の中では、つい睡眠を後回しにしてしまいがちです。
現代はスマホなどの誘惑も多く、それに打ち勝つのもなかなか大変ですよね…
でも、どんなに良いものを食べても、どんなに良い薬を飲んでも、睡眠が不足していては、本来の力を十分に発揮することはできません。
今夜はスマホを置き、照明を少し落として、自分自身をいたわる気持ちで早めにお布団へ入ってみませんか。
そんな小さな積み重ねが、明日の元気を育み、10年後、20年後の健やかな毎日へとつながっていきます。
おすすめの漢方薬・健康食品
ご紹介している漢方薬・健康食品は一例です。ご体調によって、他の漢方薬や健康食品をお薦めする場合もございます。






