ことわざの中にも、漢方の知恵!
2019-06-15
つい先日まで、KAN 薬舗では牡丹と仙台萩がお客様をお迎えしていました。
美しいお花のある空間は、それだけで癒やされますね。
艷やかで優雅な牡丹は「百花の王」という呼び名もあり、生薬としても優秀!清熱や活血(血の巡りを良くする)作用があり、婦人向けの漢方処方にもよく登場します。
ところで、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉をご存知ですか?
美人を表す言葉ですが、元々は生薬の用い方をたとえたものという説があります。
「立てば」は、イライラ気のたっている女性。芍薬の根は痛みを鎮め、筋肉のこわばりを取ります。漢方では、婦宝当帰膠や冠元顆粒、当帰芍薬散などに入っています。
「座れば」は、生理痛などでお腹を抱えて座り込んでしまうような女性の意味。腹部に血が滞ると瘀血(おけつ)となり、生理痛の原因になります。こんな時、牡丹皮(ボタンピ。牡丹の根の皮)のように活血作用のある生薬が、改善に一役買ってくれます。漢方では加味逍遥散、杞菊地黄丸などに入っています。
「歩く姿は」はナヨナヨと歩いている心身症のような状態を表現しているそうで、安神・滋陰作用のある百合(ビャクゴウ。百合の根)を用います。百潤露などに入っていますね。
つまり、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」は、それぞれの症状に合った生薬を用いると、健康で美しい女性になれますよ〜♪という意味かもしれません。(*^^*)
ちなみにそれぞれの見頃は、牡丹→4月末〜5月初旬、芍薬→5月中旬〜6月末、百合→6月〜8月とのこと。まるでリレーをするかのように、夏まで私達を楽しませてくれますね。